油には食用油やバター、ラードなど目に見える油と穀類、野菜、豆、魚介類、肉類、乳類、卵、菓子などに含まれている目に見えない油があります。栄養学ではこれらをまとめて脂質と呼んでいます。脂質は、三大栄養素と呼ばれるくらいカラダに欠かすことができない栄養素。
ここでは、その種類と効果を徹底的に解説していきます。
脂質の概要
脂質はカラダの構成成分となり、エネルギー減として重要な役割を果たしています。脂肪さんは脂質の主な構成成分で、およそ40種類くらいあります。それぞれの脂肪酸がどのような割合で含まれているかによって、その油の働きや栄養価がことなってきます。
脂質というと悪者のイメージがありますが、細胞膜やホルモン、血液などの構成成分として体には不可欠の栄養素です。成人として一日の所要量は20~25%と言われています。
1グラムあたり9キロカロリーと効率の良い栄養源として重要です。
脂質の種類
脂肪酸は炭素、水素、酸素からできており、構造の違いによって二重結合を含まない飽和脂肪酸と二重欠乏を含む不飽和脂肪酸とに分けられます。
さらに不飽和脂肪酸は二重結合の数によって、二重結合が1個のものを1価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸と呼びます。多価不飽和脂肪酸は、体内では合成することができないので食品から摂取するしか方法がないといった特徴もあります。体内で合成することができない多価不飽和脂肪酸は、必須脂肪酸とも呼ばれているため、サプリメントなどを使って効率よく摂取するが良いでしょう。
脂肪酸の分類は以下の通りです。
飽和脂肪酸 | 動物性脂肪など | ||
不飽和脂肪酸 | 一価不飽和脂肪酸 | n-9系列 | オレイン酸など |
多価不飽和脂肪酸 | n-6系列 | リノール酸など | |
n-3系列 | αリノレン酸、EPAなど |
※多価不飽和脂肪酸は体内合成不可の為、必須脂肪酸と呼ばれる。
脂質の効果
脂質のメリット
- 体の基礎を作ってくれる
- エネルギーの源になる
- 脂溶性ビタミンの吸収を助ける
脂質のデメリット
- 摂りすぎると肥満になる
- 動脈硬化をもたらす脂質がある
健康を促進する脂質について
昨今は体脂肪になりにくいクッキングオイルが人気を集めています。
ジアシルグリセロール
ジアルグリセロールという天然油脂成分で、小腸に吸収されても血液中に入りにくく体内で燃えやすいという性質を持っています。
このため、体脂肪として蓄積されにくい脂質の一つです。
ココナッツオイル
中鎖脂肪酸を利用したクッキングオイルの一種としてココナッツオイルがあります。中鎖脂肪酸はココナッツなどに含まれる天然成分で、体内で燃えやすい性質をもっているのですが、発煙する温度が低いため食用利用が難しいとされていました。
ココナッツオイルも吸収されると直接肝臓に運ばれて素早く分解されます。その結果として体脂肪になりにくく、コレステロール値も上がりにくいのです。肥満やコレステロールが気になる方は、ココナッツオイルなどを使ってみるのもいいでしょう。