リノール酸はn-6系の多価不飽和脂肪酸(オメガ6)であり、体内で合成できない必須脂肪酸の一つです。1950年代にアメリカで、リノール酸は血中コレステロール値を下げるのに有効であると発表されてから生活習慣病に効く脂質として長く取り上げられていました。
ここではそんなリノール酸の効果と摂りすぎることによるデメリットを紹介してきます。
リノール酸の効果について
コレステロール抑制効果
リノール酸はコレステロールを肝臓に閉じ込めて血中のコレステロール値を下げる効果があります。しかしHDLコレステロールまで減らしてしまうため、摂りすぎるとかえってコレステロールを増やしてしまう結果になります。
そのため、現在はオメガ3と呼ばれるn-3系の脂肪酸とバランスを考えてとることが大切と言われています。
リノール酸のデメリット
リノール酸は酸化しやすく体内で過酸化脂質をつくりやすいという欠点があります。さらにリノール酸から合成されるアラキドン酸には、血小板の凝集を促進する効果やアレルギー症状を増進させたり、がんを促したりするといったデメリットがあります。
肺がんや、大腸がん、乳がんなどの欧米型のがんが急増している背景にはリノール酸の過剰摂取が考えられます。
リノール酸を多く含む食品
- 紅花油
- ひまわり油
- 綿実油
- とうもろこし油
- ごま油
リノール酸の抑え方
リノール酸は必須脂肪酸ですから食品からとならくてはなりません。しかし、普通の食事をしていればまず欠乏することはないでしょう。
逆に過剰摂取が問題となる為、リノール酸が多く含む油は使わないようにしましょう。揚げ物をするときは、から揚げ・天ぷら・フライの順に吸油率が高くなりますから、から揚げはおすすめできません。
また、なすのように水分の多い野菜は油を多く吸いますので、揚げ物には避けたほうが無難です。炒め物をするときは、よくフライパンを熱し、油をなじませてから素材を入れるようにすると、油の量が少なくてもくっつきません。
毎日のちょっとした心がけでリノール酸の摂取量は減らすことができます。
過剰摂取を防ぐことが健康維持のカギになります。
共役リノール酸(CLA)について
リノール酸においてもコレステロールを減らし、がんにも有効なものがあります。それは共役リノール酸(CLA)です。共役リノール酸(CLA)は、赤身の肉やラム肉、乳製品に含まれる脂肪酸で、たんぱく質の代謝を助け、血中のコレステロール値を下げる働きがあります。体脂肪を減らして、筋肉を増やす、動脈硬化や糖尿病を抑制する、免疫力を向上させるなどの作用もありがんにも有効です。
よくサプリメントとして売られているため、気になった方は摂取してみると良いでしょう。