プロテインの基礎知識!目的別の選び方と飲み方

プロテインの基礎知識栄養とサプリメント
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プロテインという名前は、栄養学の進んでいたドイツで「もっとも大切なもの」を意味するギリシャ語から、たんぱく質を「プロテイン」と名付けました。ドイツ語でも英語でも「プロテイン」はたんぱく質のこと指す一般名詞です。

しかし、アメリカや日本ではたんぱく質を主成分とするプロテインサプリメントのことを「プロテイン」と呼んでいます。このページでは、プロテインサプリメントであるプロテインの基礎知識を紹介して、目的に応じたカラダづくりのための選び方を紹介していきます。

プロテインの成分について

たんぱく質とは?

毎日、意識しないでとっている食事を栄養学の立場でしらべると、そのすべてが「炭水化物(糖質と食物繊維)」「たんぱく質」「脂肪」「ビタミン」「ミネラル」の5大栄養素と水分からできていることがわかります。食物によってそれぞれの比率、量が違うだけです。

私たちのカラダで、筋肉はもちろん、骨や関節、内臓や血管、皮膚や毛髪、血液、ホルモンの一部など、全身を作っている物質はすべてたんぱく質からできています。

とくに、毎日休みなく、たんぱく質は入れ替わっています。表面上は同じに見える筋肉も刻々と入れ替わっています。

そんなたんぱく質は、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類、魚類、卵、牛乳やチーズ、豆腐などの大豆製品に多く含まれています。たんぱく質をさらに分解すると、ペプチドに分解されます。さらにペプチドをさらに分解するとアミノ酸となっているわけです。

ペプチドとは?

食事でとったたんぱく質は、唾液や胃液、小腸や膵臓に含まれる消化酵素で、ペプチドやアミノ酸に分解されます。ペプチドは、アミノ酸が2つ以上集まったもので、2つをジペプチド、3つをトリペプチドとなどと呼ばれています。

昔は、たんぱく質は最小単位であるアミノ酸まで分解されないと、消化吸収されずに筋肉の再合成もされないといわれた時代がありました。現在では、ペプチド状態であっても、早く吸収され再合成もされるとされています。そのため、ペプチド状態まで加工したプロテインもでるようになりました。

アミノ酸とは?

たんぱく質を最小単位まで分解するとアミノ酸となります。アミノ酸は主に20種類あり、主だったものの効果を以下にて紹介していきます。

  • グリシン・・・精神を安定させ、安眠できるアミノ酸として有名
  • バリン・ロイシン・イソロイシン・・・BCAAと呼ばれており、筋線維に多いことから筋トレ前に飲むと良いとされる。
  • アルギニン・・・成長ホルモンの分泌を促進するといわれる。
  • トリプトファン・・・脳をリラックス状態にさせる。
  • チロシン・・・脳の活動を活発化させる

原材料別のプロテインの特徴

最近は多くの会社から様々なプロテインが発売されています。種類が多くなりすぎて、何を選び、どのように使えば、最も筋肉や持久力などのカラダづくりへの効果があるのかわかりにくいでしょう。まず、プロテインに使われる原料別に説明し、解説します。

ソイプロテイン

ソイプロテインとは大豆たんぱく質が原料となっているプロテインです、プロテインパウダーが誕生した当初は、もっぱら大豆から得られる分離たんぱくパウダーが原料でした。ソイプロテインのメリットやデメリットを以下にまとめます。

ソイプロテインのメリット

  • 材料が植物性なので、価格が最も安い
  • たんぱく質の吸収率は、95%以上で、ほぼ完全に利用される
  • 消化にやや時間がかかるので腹持ちがいい。朝食時やダイエットに適している
  • 分岐鎖アミノ酸(BCAA)が100グラム中13グラムほど含まれるため、鍛えたい筋肉の材料として適当である
  • 女性ホルモン、エストロゲン同様の作用をするイソフラボンが入っているので、皮膚や骨の強化、血流改善、自律神経の安定などの効果が期待できる

ソイプロテインのデメリット

  • 繋がっているアミノ酸の数が多くたんぱく質同士がお互い組み合っており、消化されるまでに時間がかかる
  • 筋肉成分が修復されるまでにやや時間がかかる
  • アミノ酸スコアとして、シスチンやメチオニンなどの含硫アミノ酸が不足

ホエイプロテイン

牛乳に含まれるたんぱく質は何種類かありますが、チーズを生産する際にできる上澄み液に「ホエイ」と呼ばれるたんぱく質が多く含まれます。

このホエイプロテインは筋肉の材料に代わりやすいBCAAをソイプロテインより多く含む為(アミノ酸全体の約20%ほど)筋肉を早く、大きくしたい人に最適といえます。

ホエイプロテインのメリット

  • 含まれるたんぱく質は100%吸収され、体内で利用される
  • 筋肉成分を多く占めるBCAAが約20%と多くなっており、筋トレ後に元の筋肉以上の大きさに修復する効果が大きい
  • 牛乳や水に溶けやすく、消化吸収が速やかである。胃や腸にもたれにくい
  • CFMという特殊なフィルターにかけてたんぱく質濃度を高めた製品やカルシウム、レシチン成分などを加えて成化学的に高性能化した製品がある。
  • 糖質(マルトデキストリン)を加え、たんぱく質濃度を低くし、体重増加に特化した製品もある

ホエイプロテインのデメリット

  • 原材料が海外から輸入するホエイパウダーなので全体的に価格が高い
  • 安くするために比較的安価なWPCを用いた製品や大豆・カゼインプロテインと混ぜた製品がある

ホエイ製造方法に関して

同じホエイプロテインでありながら製造方法によって、品質の良否が変わることが判明しています。

・濃縮膜処理法(WPC)

生乳を主に樹脂製のフィルターで膜処理し、ろ過して得られた液体を濃縮し、噴霧乾燥機にかけて粉末状にする方法。ホエイの中では価格が安いが、乳糖のためにおなかが張ってゴロゴロする場合がある。

・イオン交換法(WPI)

カラムという筒の樹脂側にマイナス電荷をかけ、ホエイを樹脂表面に集めて作る方法。不純物も有益な物質も除去され、高純度のホエイプロテインが得られるメリットがある。使用した薬剤で、一部のアミノ酸が変性している場合も。

・CFM製法

特殊なセラミックの膜を通し、不要な成分は除去し、有益な成分は残っている最新の製法。価格は高いが筋肉への高い効果が期待できる。

・加水分解ペプチド

ソイプロテインまたはホエイプロテインを、微生物に含まれる酵素でアミノ酸を2つずつ脱水縮合させて、ペプチド状態にしたもの

カゼインプロテインとエッグプロテイン

ホエイプロテインと同様に牛乳に含まれるたんぱく質ですが、水溶性成分ではなく、不溶性固形成分です。これを乾燥し、粉末にした製品がカゼインプロテイン。そのままでは水や牛乳に溶けにくいので顆粒状にしているケースが多いです。

また卵の白身を乾燥して粉末にしたエッグプロテインがアメリカより輸入されていた時期もありました。栄養価は高いものの、独特の臭みがあり、日本人には好まれなかったようです。また、脂肪やコレステロールが多いため、健康上不向きで現在はほとんど使用されていません。

目的別のプロテインの選び方と飲み方

筋肉の発達や筋力増強を望むなら

たんぱく質含有量が多いプロフェッショナルタイプのホエイプロテインを基本にすることがおすすめです。特にホエイ製品で1キロや3キロ詰めた製品が価格的に有利です。肉や魚、卵などを食べる回数を減らせば、大変経済的になります。また、筋肉内の液体部分に多いグルタミンの併用もおすすめです。これらは筋トレの前後に使用します。

朝食時や就寝前なら、価格の安いソイプロテインがいいでしょう。スプーン2杯を牛乳コップ1杯に溶かして飲むと長時間ゆっくり筋肉に供給されて合理的です。睡眠中に成長ホルモンが多く分泌され、筋肉が大きくなります。

ごはんやパン、肉や魚、卵などを全く食べないことはおすすめしません。普通の人が食べるくらいの量は、ご飯類や肉などを食べるほうが良いのです。ご飯類は筋トレなどのエネルギー源となり、たんぱく質が筋肉づっくりに専念できる環境をつっくります。また脂肪やコレステロールは性ホルモンなどの原料になって筋肉の発達に貢献します。

そして鉄分のはいっていないタイプのプロテインをずっと使用していると、貧血になってばてやすく、長時間の運動ができなくなります。鉄の有無は確認するとよいでしょう。

なお、筋トレする際は、筋肉がバーンアウトするまで反復します。もう上がらない重量でも、パートナーに手伝ってもらい、最後の数センチが下せるまでこらえます。時には動かなくても筋肉に力を精一杯込めてください。その努力が非常に重要となります。

体重をもっと増やしてカラダを大きくしたい

たんぱく質含有量は全体の20パーセントほどで低いのですが、エネルギー源になる糖質として複合でんぷんを配合し、これが全体の75パーセントを占めている製品をおすすめします。胃腸の弱い人にも負担がすくないように、原料のたんぱく質はホエイとカゼインになっており、徐々に消化吸収されるようになっています。ウェイトアップのためのプロテインは、筋トレ前30分と筋トレ直後にスプーン2杯を牛乳に混ぜて飲むことが標準です。就寝前にも飲むと、成長ホルモンや男性ホルモンがよく分泌されてカラダが大きくなってきます。

もちろん日常の食事ではごはんを多く食べられるようにしてください。

なお、筋トレは胸、背中、脚の筋肉量が多い部分をメインに鍛えます。重量をだんだん重くすることが成功のポイントです。あげれるギリギリの重量まで挑戦することは、筋肉増強を希望する場合と全く変わりません。パートナーの協力も大切になってきます。

体脂肪を減らし、ダイエットしたいひとは

「糖質を減らすようにしてください」や「代わりに高たんぱく質プロテインを使いなさい」と言われる人が多くいると思います。しかし、糖質だけを極端に減らすことには反対です。運動不足と食べ過ぎが肥満の大きい原因ですから、全体的にカロリーを減らすことが正しいといえます。

空腹状態を我慢するわけですが、プロテインを使うならソイプロテインを使いましょう。少量で満腹かんを与えるからです。同じく、繊維成分を多く含んだプロテインであれば、消化を助け、脂肪を吸着して排出する効果が期待できます。

普段の食事については、1日3食のうち、肉・魚・チーズなどの量を半分にします。その代わりスプーン1杯のソイプロテインをなるべく水だけで飲んでください。間食もいっさいやめましょう。カラダの細胞が80~90日間で半分入れ替わることを意識すれば、3か月くらいで体重が5%ほど少なくなっていることを誰でも実感できるはずです。

なお、筋力トレーニングについては、使用する重量を重くするよりも、軽めの重さで回数を20回以上連続する方法が脂肪の燃焼に効果があります。脂肪がとれやすい腹部や背中、大腿部の種目を多めにすることはいうまでもありません。腹筋運動は毎日実行しても問題ないでしょう。

まとめ

  • 筋力増強やかっこいいボディを目指すならホエイプロテイン
  • 筋肥大や大きいカラダづくりには複合糖質が含まれたホエイプロテイン
  • 美しくダイエットをするひとは、ソイプロテイン

 

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