αリノレン酸(ALA)とはどんな栄養素?健康に役立つ理由と摂り方を紹介

αリノレン酸とはどんな栄養素?亜麻仁油栄養とサプリメント
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αリノレン酸は、n-3系の多価不飽和脂肪酸(オメガ3)であり、リノール酸同様に必須脂肪酸の一つです。体内では合成できないので、食品から摂取しなければなりません。主にしそ油やえごま油、亜麻仁油などに多く含まれています。

n-6系脂肪酸(オメガ6)の摂りすぎの弊害が明らかになるにつれて、n-3系脂肪酸(オメガ3)に注目が集まり、効用が見直されるようになりました。

特に、EPAやEHAの素晴らしい効力が話題を呼んでいますが、αリノレン酸は体内で代謝されてEPAやDHAに代わるので、これらの脂肪酸と同様の効果があります。そんな万能な脂質であるαリノレン酸の効果に関して説明していきます。

αリノレン酸の効果(メリット)

αリノレン酸は体内でEPA、DHAに代謝されるため様々な効果をもたらしてくれます。その効果として挙げられるのは以下の6点となります。

  • 血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ
  • がんやアレルギー疾患を抑制する
  • 血圧を下げる
  • 老人性のボケやアルツハイマーを防ぐ
  • 脳細胞を活性化し、学習能力を高める
  • うつ病を改善する

動脈硬化を防ぐ効果

αリノレン酸は、血液をさらさらにして、血栓ができるのを防ぎます。従来は、血栓は血管にたまったコレステロールによってできると考えられていました。しかし、最近の研究によって、コレステロール以上に、血小板の凝集が深く関与していることがわかったのです。

αリノレン酸には、血小板の凝集を抑える・血管をしなやかにする・血管を拡張する・血行をよくするなどの働きがありますので、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などを強力に防ぎます。

これらの働きは、αリノレン酸から生成されるEPAやEHAの効用によるものです。

血圧を下げる効果

末梢の血流もよくすることから血圧を下げる効果があります。高血圧のラットを使った研究では、αリノレン酸の摂取により、15%程度の血圧低下がみられました。

一方正常なラットでは、血圧低下効果は見られませんでした。高血圧や動脈硬化が気になる人は、αリノレン酸の多い油を用いるようにしましょう。

アレルギーを抑制する効果

αリノレン酸は、リノール酸に対して競合的に働き、食事中のαリノレン酸・リノール酸比を上げることにより、リノール酸の過剰摂取から引き起こされる様々な疾患を抑制します。

リノール酸を摂りすぎると、細胞のアラキドン酸が増え、ヒスタミンやトロンボキサン、ロイコトリエン、血小板活性化因子などの活性の強いアレルギー・炎症のメディエーターが大量に作られます。

これが、花粉症やぜんそく、アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患を引き起こす原因になります。

αリノレン酸はアレルギー疾患の働きを強力に阻害するため、アレルギーの抑制に大きな力を発揮します。

αリノレン酸の効率的な摂り方について

αリノレン酸が多く含まれる食材

αリノレン酸を多く摂取するためにはαリノレン酸を多く含む食品を摂取することが大切です。

αリノレン酸が多く含まれている油

  • しそ油
  • えごま油
  • 亜麻仁油

αリノレン酸が多く含まれている食べ物

食品名100gあたり
くるみ9.0g
マーガリン2.1g
大豆1.8g
きな粉1.7g
かつお油漬け缶詰1.2g

αリノレン酸の食べ方

αリノレン酸は二重結合を3個も含む栄養素の為、非常に参加しやすく、過酸化脂質を生じやすいのが難点です。炒め物や揚げ物のような加熱調理に使うのは避けてください。

サラダやマリネなどに利用すると良いでしょう。またできるだけ早く使い切ることが大切です。古くなった油は捨てるようにしましょう。そのまま古い油を使ってしまうと過酸化脂質を摂りすぎしまい、デメリットが生じます。

最後に

αリノレン酸は、血行促進やアレルギー抑制など様々な効果がある魅力的な栄養素です。しかし壊れやすい栄養素でもあるので、調理の仕方に注意しなければ効率よく摂取することはできません。

日々の食生活においても、市販のドレッシングをやめて、しそ油やえごま油の手作りドレッシングを使ってみたり、揚げ物や炒め物を抑えて蒸しもの・焼き物・煮物料理を増やすのなど工夫をしてみましょう。

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