たんぱく質は英語で「プロテイン」と呼ばれており、生命活動のカギを握る三大栄養素の一つです。たんぱく質が果たす役割は非常に大きく、人間の体を作る機能であったり、機能を調整する役割があったり、エネルギー源となったりします。
その原理としては、たんぱく質が分解された際に生ずるアミノ酸が各種の役割を担っているのです。このページでは、そもそものたんぱく質の役割と良質なたんぱく質を取得するために理解すべきアミノ酸スコアとその食品群に関して解説していきます。
たんぱく質の役割に関して
たんぱく質の主な役割としては、人体の構成成分として体の一部になる効果と体の機能を調整する効果とエネルギーとして利用される効果があります。
人体の構成成分としては、筋肉や臓器、皮膚、髪、爪もすべてたんぱく質を材料としてできているのです。
また、体をつくるだけではなく、代謝反応に不可欠な酵素や、機能を調整するペプチドホルモン、神経伝達物質、遺伝子、血液成分、免疫の交代などにも利用されます。
エネルギーとしても利用されており、1gあたり4キロカロリーのエネルギー源にもなります。
たんぱく質が不足すると生ずるデメリット
たんぱく質はこのように生命活動の維持に欠かせない栄養素ですから、短期間の不足でも、さまざまなトラブルを起こします。まず体力やスタミナがなくなり、病気に対する抵抗力も低下し、脳の働きが鈍くなって、記憶力・思考力が減退し、成長期の子供では、発育障害がみられるようになります。
長期間不足すると、生命そのものが危険になることを理解しましょう。
たんぱく質の必要量について
たんぱく質の必要量は体重によって異なります。成人が1日に必要なたんぱく質の量は体重1kgにあたり1.1~1.2gと考えてください。ただし、筋トレや運動をした当日や翌日は、筋肉の休息等で必要とされるたんぱく質が増えるため、体重1kgにあたり1.5~2.0g摂取するようにしましょう。
たんぱく質は20種類のアミノ酸の組み合わせでできる
たんぱく質は、アミノ酸という化合物が結合したものです。アミノ酸は全部で20種類あり、この20種類が含有量をかけて結合することにより、性質の異なる、無数の種類のたんぱく質が作られます。
アミノ酸のうち、体内で合成されず外から食品として摂取しなければならないものを必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)と呼びます。それ以外のアミノ酸を非必須アミノ酸(可欠アミノ酸)と呼びます。
主なアミノ酸の種類
| 必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
| イソロイシン | グリシン |
| ロイシン | アラニン |
| バリン | セリン |
| メチオニン | シスチン |
| シスチン | チロシン |
| フェニルアラニン | アスパラギン酸 |
| チロシン | グルタミン酸 |
| スレオニン | プロリン |
| トリプトファン | アルギニン |
| ヒスチジン |
良質なたんぱく質を摂る為のアミノ酸スコアとは
食品に含まれるたんぱく質と体を構成しているたんぱく質は、組成が違いますが、体のたんぱく質のアミノ酸構成に近いものほど、体のたんぱく質を合成するうえで効率が良いことがわかっています。その為、体のアミノ酸構成に近いたんぱく質を良質たんぱく質と呼びます。
良質たんぱく質かどうかを見分ける方法として、体が欲求する必須アミノ酸の量を想定し、食品の必須アミノ酸の構成と比較する方法があります。この方法で算出された数値をアミノ酸スコアと言います。アミノ酸スコアは、数値が100に近くなるほど良質です。
アミノ酸スコアが高い食品22選
アミノ酸スコアが高い食品は、主に肉や魚、牛乳などの動物性食品に含まれているたんぱく質が良質と言えるでしょう。アミノ酸スコアが高い食品は以下の通りです。
| 食品名 | アミノ酸スコア |
| 鶏卵 | 100 |
| 牛乳 | 100 |
| プロセスチーズ | 91 |
| あじ | 100 |
| いわし | 100 |
| さけ | 100 |
| あさり | 81 |
| いか | 71 |
| えび | 84 |
| 牛肉(サーロイン) | 100 |
| 豚肉(ロース) | 100 |
| 鶏肉(胸肉) | 100 |
| 鶏レバー | 100 |
| 精白米 | 65 |
| 小麦粉 | 44 |
| とうもろこし | 32 |
| じゃがいも | 68 |
| 大豆 | 86 |
| 木綿豆腐 | 82 |
| ほうれんそう | 50 |
| トマト | 48 |
| みかん | 50 |



