筋力トレーニングの順番ってどうやって決めるか分からない方へ。どうせトレーニングを行うのであれば、一番効果的な筋トレの順番を知りたいですよね。
筋力トレーニングのプログラムにおいては、先に行ったエクササイズのほうが、後に行ったエクササイズよりも大きな効果を得やすい傾向があります。プログラムの前半には、疲労が少なく高い集中力でトレーニングを行うことができますが、後半には、前半に行ったエクササイズによる疲労の影響を受けるからです。
それでは筋力トレーニングの順番の決め方を詳しく解説していきます。
大きな筋肉のトレーニングを優先して行うこと
胸部・背中・大腿部などの大きな筋肉(大筋群)のトレーニングは、肩・腕・下腿部・腹部などの小さな筋肉(小筋群)のトレーニングよりも先に行うようにします。
例えば、ベンチプレスでは、大胸筋(大きな筋肉)が主働筋として、三角筋や上腕三頭筋が共働筋として動員されますが、ベンチプレスの前に、肩や腕の筋トレを行った場合、これらの疲労によって、後に実施するベンチプレスの使用重量や反復回数が低下してしまうことがあります。これに対して、ベンチプレスを行ったあとには、肩や腕の筋トレを支障なくトレーニングすることができます。
多関節トレーニングを優先して行うこと
ベンチプレスやスクワットのように、動作中に複数の関節を使用する多関節トレーニングは、アームカールやレッグエクステンションのように1つの関節のみを使用する単関節トレーニングよりも多くの筋肉を動員し、高度なテクニックや姿勢支持力が要求されることから、疲労が少ないプログラムの前半に行ったほうが効果的です。
効果を上げたいトレーニングを先に行う
トレーニングを行う人にとって特に効果を上げたいエクササイズは、プログラムの前半に行うようにします。
例えば、腹筋のような体幹部の筋力が弱い場合には、プログラムの最初に実施しても問題ございません。また、同じプログラムを長期間にわたって継続していくと、プログラムの前半に行った大筋群のトレーニングに比べて、後半に行った小筋群のトレーニングの効果が十分に上がらないことがあります。このような場合には、筋トレの順番を入れ替えて、小筋群のトレーニングを先に行うと効果的です。
筋力やパワーを向上させたいトレーニングを先に行う
最大筋力やパワーを向上させたいトレーニングがあるのであれば、優先的に行うようにしましょう。先に行うことで、運動単位の動員の促進や、爆発的な筋力発揮など、神経系の機能改善が重要な課題となることから、できるだけトレーニング全体の最初または、前半の疲労していない状態で行うようにします。
姿勢支持筋などの体幹のトレーニングは後に行う
姿勢支持などの体幹での筋肉のトレーニングは、原則としてトレーニング全体の後半に実施します。たとえば、スクワットの動作中に下背部をはじめとする体幹部の筋肉は胴体を正しい姿勢に保つために働いていますが、スクワットを行う前に、バックエクステンションのような背柱起立筋を重点的に強化する筋トレを先に行ってしまうと、体幹部の疲労によって正しい姿勢を維持することが困難となり、フォームが崩れてしまう危険性があります。
まとめ
- 大きな筋肉のトレーニングから小さな筋肉のトレーニングへ
- 多関節を使うトレーニングから単関節のトレーニングへ
- 特に効果を上げたい筋トレは優先的にする
- 最大筋力やパワーを向上させたい筋トレは優先的にする
- 体幹などのトレーニングはあとに行う